深井看護医学ゼミナール

1定点医療機関当たりの新型コロナウイルス感染者数㉛(withインフルエンザウイルス)

コロナ感染4週連続増

厚生労働省は、12月22日、全国約5000の定点医療機関から

12月11日~17日に報告された新型コロナウイルスの新規

感染者数は計2万511人で、1医療機関当たり4.15人だったと

発表した。

前週比1.18倍で4週連続で増えた。

インフル患者数、前週比減だが引き続き感染対策必要

全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、

12月17日までの1週間で1医療機関当たり29.94人と前週から

減少した。

専門家は、2つのA型のウイルスが同時に流行している事が

今シーズンの特徴だとして「一度かかったとしても安心せず、

手洗いや換気など基本的な感染対策を続けてほしい」としている。

国立感染症研究所などによると、12月17日までの1週間に全国

およそ5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの

患者数は14万7858人で、前週から1万8832人減少した。

また、1医療機関当たりでは前週から3.78人少ない29.94人と

なった。

データをもとに推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ

101万9000人となっていて、今年9月4日以降の累積の患者数は

およそ902万2000人と推計される。

23道県で「警報レベル」30人超

都道府県別にみると、

大分県が55.17人

宮崎県が53.26人

宮城県が49.13人

北海道が47.25人

三重県が41.28人

など23の道と県で「警報レベル」の30人を超えているほか、

東京都で20.48人

大阪府で19.72人

などとなっていて、沖縄県を除く23の都府県で「注意報

レベル」の10人を超えている。

専門家2つの型が同時流行

感染症に詳しい東邦大学のA教授は「今シーズンはA型の

インフルエンザウィルスの[H3]と[H1]の2つが同時に

流行していることが特徴で、今後の推移を注視していく

必要がある。」と指摘している。

コロナ派生型「JN .1」

世界保健機関(WHO)は12月19日、新型コロナウイルスの

オミクロン株から派生した「JN.1」を「注目すべき変異株」

(VOL)に指定したと発表した。

理由は、「急速に拡大しているため」としている。

JN.1はインド、中国、イギリス、アメリカなど世界各地の国々で

確認されている。

WHOは、公衆衛生のリスクは今のところ低く、現行の感染措置で

予防効果が得られると説明。

ただし、この冬は新型ウイルスや他の感染症にかかる人が増える

可能性があると警告している。

北半球では、インフルエンザ、呼吸器合胞体(RS)ウイルス、

小児肺炎などの呼吸器系ウイルスも増加傾向にある。

新型ウイルスは常に時間とともに変化しており、時折新たな

変異株が生まれている。

ここしばらくは、オミクロン株が世界的に優勢な変異株と

なっている。

WHOは現在、JN.1を含め、オミクロン株に関連した多くの

「注目すべき変異株」(VOL)を追跡調査している。

これまで、懸念すべきものは見つかっていない。

ただ、現在、JN.1は世界各地で急速に広がっている。

米疾病対策センター(CDC)によると、同国で現在最も

急速に広がっている変異株の系統がJN.1で、感染の

15%~29%を占めている。

英健康安全保障庁(UKHSA)は、研究施設で分析された

新型ウイルスの陽性検査結果の約7%がJN.1だとしている。

同庁は、これらの変異株の派生型について、全データを監視

続けていくとしている。

冬期に急増

JN.1はすべての地域で急速に広がっている。

おそらく、派生元のBA.2.86系統と比べ、スパイクタンパク質に

更なる変異があったためとみられる。

WHOは「この亜系統は特に冬を迎えている国々で、他のウイルスや

細菌感染症が急増する中、SARS-CoV-2(コロナウイルス)感染者の

増加を引き起こすのではないかと予想される」としている。

WHOによると、ワクチンによる免疫がJN.1にどれくらい効果的

なのかについては、まだ限られた証拠しかないという。

これまでの派生型に比べ、JN.1の方が感染した時の症状が重い

とする報告は、今のところ出ていない。

しかしWHOは、新型ウイルスの入院患者のデータを報告する国が

大きく減っていることから、健康への影響を調べるには更なる

研究が必要だとしている。

感染や重症化を防ぐために、WHOは以下の行動を勧めている。

①混雑した密閉された場所ではマスクを着用する。

②咳やくしゃみをするときは口を覆う。

③手指を清潔にする。

④インフルエンザの最新の予防接種を

  受ける(特にリスクが高い人)

⑤体調不良の時は家にいる

⑥症状があれば検査を受ける

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