看護師国家試験予想問題
問題 糖尿病神経障害について正しいのはどれか。
1. 神経細胞にアミロイドが沈着する。
2. 体幹部から始まることが多い。
3. 血流障害は原因とならない。
4. 自律神経に障害を認める。
答え、4
[解説]
糖尿病神経障害は、糖尿病3大合併症状の一つで比較的早くから出現する。主な原因は高血糖による細胞内代謝障害と血流障害である。症状は左右対称性に遠位からみられることが多い。自律神経障害の症状としては、血圧低下、発汗障害、消化器運動の減弱、排尿、排便異常などがある。神経細胞にアミロイドが沈着するのはアルツハイマーである。
糖尿病の症状
糖尿病はインスリンの作用不足によっておこり、代謝の偏りは糖質代謝だけでなく、タンパク質および脂質代謝にも及び、総体的な代謝異常がみられる。糖尿病の成因としては遺伝因子、環境因子(過食・感染・精神的ストレス)、インスリン拮抗物質の存在(ホルモン、ホルモン以外の体液性阻害物質、インスリン抗体などの自己免疫、インスリン分解酵素)などの発症因子があげられる。
インスリン欠乏による症状は口渇、多飲、多尿、脱水、多食、易疲労、ケトアシドーシスによる悪心、嘔吐、意識障害、体重減少、などであり、食事療法、運動療法、が治療の基本となり、これでコントロールできない場合、インスリン療法が適用される。
糖尿病治療薬
①インスリン製剤
インスリンはポリペプチドの構造をもち、内服ではぶされるため注射で用いられる。各種の製剤があり、作用発現時間と持続時間の違いで速効型、中間型、持続型に分類される。速効型はレギュラーインスリン、アクトラピッドインスリン、セミレンテインスリンで、中間型はレンテインスリン、イソフェンインスリンがある。さらに、持続型はウルトラレンテインスリン、プロタミン亜鉛インスリンがある。
②経口糖尿病治療薬
すい臓のランゲルハンス島のB細胞を刺激して、インスリンの分泌を高め血糖を下げる。トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、グリベンクラミドがある。
食事療法
糖尿病の食事方針の原則は次の3つである。
①適正な摂取エネルギー量
②タンパク質、糖質、脂質のバランスのとれた適正な補給
③ビタミンおよびミネラルの適正な補給
特に小児の場合、
・極度の食事制限で成長発育を阻害しない。
・毎回の食事の時間と量にバランスをとる。
・一生涯続ける強固な意志の養成
が原則である。