コロナ10週連続減
厚生労働省は11月17日、全国約5000の定点医療機関から、11月6日から
12日に報告された新型コロナウイルスの感染者数は9941人で、1医療機関
当たり2.01人だったと発表した。
前週比0.82倍で10週連続の減少。
5月に感染症法上の位置付けが5類に変更されて以降、2週連続で最低を
更新した。
都道府県別で、1医療機関あたりの感染者数が多かったのは、北海道5.87人、
長野5.00人、山梨3.39人。少なかったのは長崎1.03人、神奈川1.16人、
三重1.18人など。
約500の医療機関から報告された新規入院患者数は816人で、
前週比0.76倍だった。
インフルエンザの患者数・約55%が14歳以下
インフルエンザについて、11月12日までの1週間に、全国の医療
機関から報告されたインフルエンザの患者数は1医療機関当たりで
17.35人で、前週より減リ、およそ3カ月ぶりに減少に転じた。
国立感染症研究所などによると、11月12日までの1週間に、全国
およそ5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの
患者数は、85,766人であった。
1医療機関当たりでは、前週から3.78人減って17.35人となった。
患者数が減少に転じたのは8月14日の週以降、およそ3ヵ月ぶりである。
データを基に推計されるこの1周間の全国の患者数は、前週から98,000人
少ないおよそ635,000人となっていて、今年9月4日以降の累積の患者数は
およそ428万3千人と推計されている。
44都道府県で注意報レベル超える
地域ごとでは、佐賀県が36.13人で「警報レベル」とされる30人を
超えたほか、山梨県で29.78人、長野県で27.78人、愛知県で27.35人、
北海道で25.78人と、44の都道府県で「注意報レベル」の10人を
超えている。
一方で、愛媛県や千葉県、埼玉県など31の都府県で、前週より患者の
数が減少している。
また、年齢別では患者全体のおよそ55%が14歳以下の子どもである。
「感染が落ち着くか、増加に転じるか、数週間は注意。」
感染症に詳しいA大学の教授は、インフルエンザの流行状況について、
「全国的に感染者数の減少傾向が見られ、1月から2月の冬場を前に
急激な増加が起きることは、何とか回避できそうな様子がみられている。
ただ、この感染者数の減少がしばらく続いて、踊り場のようになって
落ち着くのか?それとも、すぐに増加に転じるのか?、数週間は注意して
見る必要がある」と話す。
新型コロナウイルスについては「しばらく減少傾向が続いているが、
この夏の感染拡大のピークを迎えた今年9月から、4ヵ月、5ヵ月が経つ
冬場に人々の免疫が下がることを考えると、インフルエンザと同じ時期に
流行が重なるリスクがある。
また、この夏の感染拡大では、死亡診断書のデータから感染者の増加に
伴って死亡者も増えていたことが分かっていて、油断はできない」と
話す。
忘年会シーズン、基本的感染対策が必要
そして、今後については「年末が近づき、久々の忘年会を楽しみにしている
人も多いと思うが、インフルエンザも新型コロナも感染の可能性がある事を
考え、できる範囲で基本的な感染対策をとってもらうことが大事だ。
インフルエンザのワクチンも年明けからのシーズンに備え、不安の
ある人や基礎疾患がある人は前倒しで接種してほしい」と話す。