113回看護師国家試験対策・118回医師国家試験対策実施中    詳細はこちらをタップ!
看護大学受験・看護専門学校受験(正看・准看)・オンライン授業に特化

<入会までの流れ>
①[お問い合わせ]フォームに入力して送信
②オンラインでテスト(費用¥3,000)を受けて頂き、金額を査定(オーダーメイド制)
③マンツーマンによるオンライン授業がスタート

詳細はこちら

新型コロナウイルスシリーズ⑱ コロナ後遺症の主因は迷走神経損傷?

新型コロナウイルス

コロナ後遺症

新型コロナウイルスに感染後、後遺症に悩む人は、2022年の

報告で既に6500万人を超えています。

後遺症の症状には・倦怠感・ブレインフォグ(思考力の低下・

記憶障害)・頭痛・不眠・息苦しさ・体の痛み・咳・動悸・

食欲不振・発熱・味覚障害などがあります。

迷走神経の損傷

生活の質を著しく損なうことに繋がるこれらの症状の多くに

ついて、新たな研究結果で指摘されているのは「迷走神経の

損傷」に関連があるということです

迷走神経とは12対ある脳神経の1つで、延髄から出ています。

首から胸部・腹部の内臓、例えば心臓・肺・肝臓・膵臓・胃

・小腸・大腸など人体に広く分布しています。

さらに、迷走神経は、安静時やリラックスした時に働く副交感

神経の働きもしています。

例えば、迷走神経が優位になると、心拍数が減少したり、お腹が

すいたりします。

医学的に言うと胃液分泌が促進されたり、胃や腸の蠕動運動が促進します。

したがって、この迷走神経が損傷を受ければ、副交感神経の働きが

失われ、交感神経が優位に働くことになります。交感神経は、緊張時や

ストレスがあるときに働く自律神経の1つです。そのため、心拍数が

促進したり(いわゆる動悸)、食欲不振に陥ります。

スペインの感染症の研究結果

スペインの感染症の専門医による研究結果によると、コロナ感染時の

症状が軽度から中程度で、後遺症のある300人のうち、迷走神経の

損傷に関連がある1つ以上の症状を訴える人は2/3以上にのぼって

いました。

感染していない人や感染後完全に回復した人に比べ、後遺症がある人に

多くみられたのは「長引く咳・心拍数の増加・発声障害・嚥下障害・

食欲不振・認知障害・めまい」といった症状です。研究チームは、

エコーの分析を行い、迷走神経そのものについても詳しく調べました。

その結果、後遺症がある人の20%には、首から胸部に伸びる迷走神経の

全体に著しい肥厚が見られました。

神経の肥厚は多くの場合、炎症に起因するものです。

迷走神経の構造変化

研究者たちは、迷走神経に著しい構造的な変化が起きて

いることの原因には、ウイルス感染という直接的なものと、

免疫の活性化という間接的なものがあると推測しています。

また、後遺症のある人の47%に横隔膜の平坦化が見られました。

横隔膜は肺の下にあり、呼吸金の1つで、通常はドーム状に

盛り上がり、収縮・弛緩を繰り返し、呼吸のコントロールを

しています。

この筋肉の平坦化は、胸腔内の大幅な圧力の低下を招き、息切れや

めまいの症状の原因になっていると考えられます。

後遺症の治療

一方、意外な事にエコーから判断すると、肺のその他の部分は正常な

状態にあることが分かったといいます。これは、後遺症としての呼吸器

症状は「肺が受けた直接的な損傷によるものではない」ことを示唆して

います。

つまり迷走神経が損傷を受けたことによって、横隔膜への信号伝達が

阻害され、そのため、横隔膜の収縮と弛緩が充分に行われなくなっていると

考えられています。

多くの臓器は迷走神経に依存しているため、迷走神経が受ける損傷は

体内の重要なシステムに影響を及ぼす可能性があります。

この研究結果が示唆するのは、後遺症の治療において標的とすべきものは

迷走神経だということになります。 

 

タイトルとURLをコピーしました