コロナ感染 前週比1.1 2倍。専門家組織「夏に拡大も」
厚生労働省は6月16日、全国約5000の定点医療機関から
6月5日から11日に報告された新型コロナウィルスの感染者は
計25,163人で、1医療機関当たりの平均は5.11人だったと
発表した。
前週比は1.12倍。厚労省に対策を助言する専門家組織が、
感染症法上の位置づけが5月8日に5類に移行して以降初めて
会合を開いて開き「夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性が
ある」との見通しを示した。厚労省が参考値として発表した5
類移行直前の定点あたりの感染者数は1.80人で、移行後5週連続で
増えた。
都道府県別で多かったのは、沖縄18.41人、鹿児島7.37人、石川6.58人。
少なかったのは秋田2.62人、島根2.76人、岡山3.01人など。
36都府県で増えた。
新たな入院者数は全国経4330人で、前週比1.0 5倍だった。
専門家組織の座長は会合後の記者会見で「増加傾向が続いて
いる」と述べた。
高齢者に感染が拡大すると医療を逼迫する恐れがあるとして、
「感染状況と医療体制のどちらも注視すべきだ」と指摘した。
会合では感染によって得られる抗体の保有率も示された。5月17日
から31日に献血で残った血液を調査した結果、全国平均42.8%
(速報値)で、前回2月の42.0%から横ばいだった。
XBBワクチン、秋接種導入。
厚生労働省は6月16日、9月以降に実施する新型コロナウイルス
ワクチンの秋接種で、日本を含め世界で主流となっているオミク
ロン株派生型「XBB]に対応した1価ワクチンを導入する方針を決めた。
この日のワクチン分科会で了承された。XBBは世界的に拡大しており
、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会も6月15日、秋からの摂取に使う
ワクチンは「XBB・1.5」に対応した製品が望ましいとの意見をまとめた。
国内でも現時点でXBB・1系統が主流。現在使用している「BA・1」や
「BA・5」に対応した2価ワクチンではXBB・1系統に対する中和抗体が
増えにくく、さらに中国・武漢で当初拡大した従来株が再び流行する
可能性は低いとしてXBB・1に対応する成分のみを含んだワクチンに
切り替える。
日本の秋接種の対象者は、接種可能なすべての年代としているが、
何歳から接種できるかは、XBB対応品の薬事承認の内容を踏まえ、
今後検討する。